抱き寄せて、キスをして《短編》

シャワーを浴びてメイクをし直し、服を着替えると、私は玄関ドアを開けた。

「アンナ先輩!」

「加奈ちゃん?!」

エントランスを出たところで、息を切らした加奈ちゃんを見つけ、私は驚いて彼女を見つめた。

加奈ちゃんは泣いていた。

「アンナ先輩っ!!」

私の胸に飛び込んできた加奈ちゃんの背中を、私は咄嗟に擦った。

「加奈ちゃん、どうしたの?!大丈夫!?」

加奈ちゃんは子供のようにしゃくり上げた。

「私、私っ!アンナ先輩に嘘をつきました」

嘘?

加奈ちゃんは泣きながら身を起こして私を見つめた。