「加奈ちゃん?」

「は、はい」

私はちょっと笑った。

「大丈夫!?安心して!そんな根掘り葉掘り聞いたりしないから!」

加奈ちゃんはぎこちなく笑うと、斜め前の自分のデスクへと歩を進めた。

……そっか。

加奈ちゃんは新太を好きだったんだ。

で、新太も加奈ちゃんとなら付き合ってもいいかなって思ったのかも。

そっか。

私は誰にも気付かれないように大きく息を吸って、そっと吐いた。