「はい!申し訳ございません!!」

「お前、どうするんだ!?念のため生地屋にも確認しとけ!もし間違ってたら取り返しつかねーぞ!」

ゾッとした。

「すみません、すぐ連絡取ります!!」

全身の血が無くなってしまったように私の体は冷たくて、寒気がした。

急がなきゃ、急がなきゃ!

私は奥歯を噛み締め、ガタガタと手が震えるのを必死で抑えながら、電話に手を伸ばした。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
翌日。

「アンナ先輩、本当にすみません!私が先輩に確認せずに不採用になったサンプルを郵送してしまったんです!先輩が、打ち合わせで渡し忘れたんだと思って……」

「もういいよ。大丈夫だよ。生地も合ってたし、パターンも送り直したから」