抱き寄せて、キスをして《短編》

「ん」

新太は、体温が高い。

すごく温かくて気持ちいい。

「ギュッてして」

新太が笑った。

「もうしてるよ?」

「もっと」

「アンナ」

「ん?」

新太は私を抱き寄せたまま、低くて艶やかな声で言った。

「新婚旅行、パリでもいい?」

一瞬、意味が分からなかった。

「は?」

「だから、新婚旅行、パリに行きたいんだ。ルーブル美術館は外せない」