無理だ、絶対無理。

私はハーッと息を吐き出すと大きな声で言った。

「やめたっ!」

「えっ?!」

新太は首をかしげて私を見つめた。

「やめたって、なにを?」

「アンタを狙うの」

「は?」

私は頭を左右に傾けてバキバキと首を鳴らした。

それから背の高い新太を見上げて再び口を開いた。

「実はね、中山君の事いいなーって思ってずっと狙ってたの。けどもうやめにする。わたし画も模写もレオナルド・ダ・ビンチも全然興味ないし合わせることも不可能。やっぱ付き合うなら趣味が合う人のがいいでしょ。とゆーわけでこれからも同期として仲良くいようね。同じ本社勤務だし友達としてよろしく!」