守られるのは卒業よ!

マリカはライダルを見て、ホッとしたのか体が崩れ落ちるのを感じた。

ライダルはマリカを抱き起すように抱えると、スウェルに苦笑いを浮かべたまま、頭を下げた。


「ライダル!どうしてこんなやつに!!」


「黙りなさい!このお方は領主様です。
個人的な恨みは情報をよくとって精査した上で、判断しなければいけません。

私はスウェル様と先にお話をしました。
これからあなたにも伝えます。
そして、あなたはそれから判断をしなさい。

話だけではまだ情報は足りないと思いますので、ここに留まってスウェル様がおっしゃる仕事をこなしなさい。
いいですね。」


「ライダル・・・何があったの・・・。」


スウェルは2人を庭に残して、さっさと出かけてしまった。


ライダルはスウェルからきいた話をマリカに伝えた。


「それじゃ、この国の王様たちが・・・リオレバの民を締め出したと・・・。
くちばしの付いた怪物が3体もいて、領主様のご家族も亡くなったの。
お父様もお兄様たちも、怪物と戦うのではなく、行き場を失ったリオレバの兵とやむなく戦ったというの。

戦わないと、騎士も剥奪されて裏切り者対象・・・死刑に値するからって・・・ひどいわ。
そんなの・・・悪いのは怪物でしょ。
協力しなければならないときなのに、魔力があるとかないとかで人間が潰しあうなんて。」


ライダルは足繁く様子を見に来るといい、マリカはしぶしぶだったが、スウェルの申し出を受けることとなった。



そして、夕方になってマリカはライダルに作ってもらった剣を庭の紅バラの前で振っていた。


「真紅のバラが似合う騎士とは言い難いな。」


ムッとしながらマリカは振り返って剣を振りかざした。


「ライダルに話をきいたのではないのか?
勝てないのはもうわかっているだろう・・・。しょうがないやつだな。」


「うるさい、魔法でバカにするやり方は騎士道に反するし、そんなやつは私も信頼できない。
ハァーーーーーッ!!!」


「やめろ!けがするぞ。
そんなに戦いたいのなら、俺も魔法なしでつぶしてやる!」


5~6回剣を交えたところで、マリカは小さな声を漏らした。


「止まれ!マリカ・・・肩と手首を負傷している。
もうわかった、やめなさい。
やめないと、おまえの嫌いな魔法でとめることになるぞ。」


そうスウェルに言われて、マリカは仕方なしに動きをとめるが、自分の肩をみてくれているスウェルの足にバラの枝でひっかけた傷があることに気がついた。


「ちょっと待って・・・これを足に・・・。」


「えっ?俺の足などいいから・・・。」


「いいの、私はこのくらいの傷はすぐ消せるから。
足を見せて。」