このポーズはマリカもかなり見てきた。
魔法を使ったのだ。

しかし・・・今回はとくに変化がないような?


「何の魔法使ったの?」


「外を見てごらん。」


マリカは窓をあけて声をあげた。


「ここって、うちの邸。スウェルの家になった・・・もう帰ってきちゃったの?」


「そう、俺はオーレアから移動手段を与えられた。
それから、こういうのもね。」



スウェルは左手を額につけ、少し集中してから手をぱっと放した。


「ハッ!」


「えっ?なっ・・・ちょ、ちょっとぉ・・・スウェルが龍の魔物に!?」


「俺だけじゃないぞ、鏡でマリカも自分の姿を見てごらん。」


「きゃああああ!!!!私も龍になってる・・・こんな。どうして?」


「魔物と話すときに便利なんだそうだ。
これからそういう場も多く出くわすだろう?」



「まぁ、そうだけど・・・。戻るにはどうしたらいいの?」


「それは俺が死ぬか、君がお風呂にでも飛び込めばね。
ただ、これには注意があってね・・・。」


「はーい、その答えは私が言うわ。
服がもう破れちゃって着れないのよね。
新しい服を用意してからじゃないと、ダメってことね。

いやぁ!もう、見ないでよ。イヤラシイ!!」



「おいおい、夫婦の間でそんなこと言うなよ。」


「だって、エッチ目的じゃない。これって・・・ひどいわ。」


「そうじゃない。試してみただけだって。
ここは家なんだから、服くらいすぐに着られるだろう。」


「ま、まぁそうだけど・・・。」


「そうか・・・それじゃ。これならどうだ?」


スウェルは面白がるかのように笑いながら右手を振る。


すると、裸のマリカはスウェルの真ん前に立つことになってしまった。


「いやぁ!な、何なの?スウェル・・・だめっ」


「久しぶりなんだから、おとなしくしておいで。
ベッドまで連れていく。」


そういって、マリカを抱きかかえて寝室へと移動した。


「これは魔法は使わないの?」


「初めての儀式だからね。
奥さんとしての務めってやつかな。


「これからが大変ね・・・私の意思は関係なしにスウェルの好きにされてしまうのね。」


「そうだよ。君の自由は俺にすべてかかっている。
でも、誓うよ。
君が嫌がることはしないから。
だから、マリカも俺には何でも言っておくれ。
じゃないと、子どもだらけになってしまいそうだからさ。あははは。」


「もう、スウェル!!そ、そんな恐ろしいこと。」