守られるのは卒業よ!

スウェルの頼みで、ライダルは別室でしばらく待ってもらうことになった。

そして、マリカが暴れても大丈夫なように地下のワインクーラーの近くでスウェルはマリカを起こした。


「ん・・・ここは・・。」


「悪かったな。卑怯な手を使ったとは思うが、外で領主相手に騒ぎを起こすとおまえの方が立場が悪くなるばかりだと思ったからな。」


「な、何者だ!」


「私はこのナルカラム地区の新しい領主となってやってきた。
そしたら・・・あの事件にまきこまれて、おまえが暴れているのに出くわしたというわけだ。」


「あっ、奥さんたちは?」


「何も大事ない。さっき事情聴取も終わって無事に帰宅した。」


「ふう・・・よかった。」


「ふふふ、おまえは変わってるな。
自分のおかれている環境にはかまわず、他人のことを考えるのだな。
今、おまえと私はここに2人しかおらんのだぞ。」


「えっ!ウソッ・・・誰もいない。
な、何、私をどうする気なの?
私をとらえるの?罰を与えられるの?」


「そうだなぁ。小さな町の中で剣を振りまわしていたようなやつは、お咎めなしというわけにはいかないな。
しかも、犯人がキュートでかわいいならなおさら・・・な。」


「あ・・・そういえば、あんたは魔法を使って私を・・・。
な、何かしたのね。
私を犯すつもりだから、こんなところに連れてきたの。
おまえみたいなやつにとらえられるくらいなら、ここで。」


「くそっ、早とちりなやつだな。」


スウェルは左の人差指を小さく振ると、マリカの左右の腕は石に金属で固定され、口にはさるぐつわをされてしまった。


「俺は話し合いにきたんだ。たぶん、おまえの性格からして乱暴を封じることになるだろうから、ここを利用することにしたんだ。
人の多いところで魔法は何度も使いたくないからな。」


「うう・・・うぐぐ・・・。」


「では、罰を言いわたそう。
おまえは当分、俺がいいと言うまで、この家の案内や俺の仕事を手伝うこととする。
おや?なんか意外そうな顔をしているな。

ここはおまえが住んでいた家なのだろう?
心配するな、おまえがここでするのは、掃除洗濯、庭の管理など、使用人の手伝い及び・・・俺の研究の手伝いだ。
そうそう、おまえは剣を学びたいのであったな。
俺が毎朝稽古をつけてやる。

ではこれからおまえの育ての親父殿に会って話してくるといい。
おまえの部屋に洋服などは用意させているが、足りないものがあればメイド頭のルーナに遠慮なく言いなさい。」


スウェルはマリカにもう一度魔法をかけ、縄でしばった状態で外に連れ出した。
そこにはライダルが待っていた。


「ライダル!!」