午後になって足の痛みもひいたのでマリカはハリッシュのところへ行き、魔法の指導を受けた。


「どうした?・・・いつも時間には正確な君が、送れるなんて。」


「ごめんなさい。朝の剣の稽古で足をけがしていたもので。
薬草と回復魔法でやっと歩けるようになったばかりなの。」


「ちょっと見せて・・・ふむ、これはけっこうひどかったみたいだね。」


「そりゃ・・・スウェルはきびしいとこばかり攻撃してきて、よけきれなくて・・・足がもつれて。
でも、申し訳なかったってベッドまで運んでくださったから。」


「へぇ・・・抱っこしてベッドまでねぇ。
領主様は紳士だなぁ。
俺だったら、そこまでいっちゃったらさぁ・・・もう据え膳いただいたも同然だからさぁ。」


「イヤラシイィ!!あいかわらずHのつくハリィだわ。」


「な、なんだよ。Hのつくって・・・?」


「ハリィのハはHのハ、私のような若き乙女に向かってもHなことをササっと言っちゃうのよ。」


「あはははは。うまいこというね。
だけど、名誉のためにいっておこう。
俺は女とみれば誰でもHな話題をふりまいているわけじゃない。
心を許してる、限られた美女限定なの。
つまり、マリカは・・・」


「全部言わなくてもいいわ、嘘に聞こえるから。
それより早く、今日のレッスンしましょう。」


「そ、そうだね。あははは、どっちが先生なんだかわからないね。
じゃ、今日はそういう限定美女に覚えてもらいたいネタをいくつか。

まずは強姦されそうになったときに、うまく逃げる魔法だ。
体のどこか・・・そうだな、腕をつかまれて動けないときに移動魔法は使えない。
とにかく隙を作らなきゃいけないだろう。」


「ええ。どうやって隙をつくるの?」


「それは幻覚をみせる。君を抱いている幻覚でも、君の服を脱がしている幻覚でもいい。
そいつが抱いてる下心を表に出すよな幻覚を呼びさえすれば、自然とつかんだ腕はいったん離すはずだ。」


「それもイメージすればいいのかしら?」


「うん、君にとっては気持ちの悪いことかもしれないが、ピンチを脱出するためだと思って嫌なイメージを描いていくんだ。
できなければ、途中まで抱かれたい男の想像でもいいぞ。
最後だけ相手の男に差し替えればいいんだ。つまり、離させるところだけな。」


「わかった。
え~と・・・腕をつかまれてて、今はハリィに離してもらいたいわけだから、ハリィの・・・だめだわ。
ハリィ以外の人でイメージしなきゃ。
えっと、スウェルでイメージしちゃえ!
裸の私を抱いている・・・・・スウェルじゃなくて・・・顔はハリィで。と。」


「おわっ!!ぎゃっ!!すげぇ。あ、あん・・・。」


「ちょ、ちょっとぉ!な、何言ってるの?」


「やだなぁ。こんな露骨なイメージされたら、マジで考えちゃうじゃないか。
マリカのエッチ・・・。」


「え・・・っちって、や、やめてよぉ!
な、何を考えてるの。
やれっていうからイメージしただけでしょ。
興奮しないでよ!」


「そ、そうでした・・・。」