「か、神城君……」
「だから、イジワルしてやった。数学の教科書をカバンから抜き取って机に入れた」
「……え?」
数学の教科書を……カバンから抜き取った?
じゃ、じゃあ、もしかして……?
「今、ここに海花がいるって事は英語の教科書を取りに来たんだろ?もちろんそれも抜き取ってやった」
「神城君っ!」
怒りながら顔を上げると、彼はフッと悲しげに笑った。
「そうでもしないと、海花はオレと向き合ってくれないだろ?」
「でも、だからって……」
「やり方は汚いってわかってる。でもオレ、海花の事が本当に好きなんだ」
吸い込まれそうなほど、真っ直ぐな瞳に私はうなずく事しかできなかった。
だって……。
「私も……神城君の事が好き」



