しばらくそうしていたけれど、図書室の利用者は誰も来ない。


こんな風に落ち込んでいたって、何か始まるわけでもないし。


神城君にきつい事を言ったし、今頃他のターゲットを探しているかもしれない。


でも、女の子たちに本性を見せちゃったから、そんな神城君でもいいなっていう子が現れるといいけど。


……私が気にする事じゃないか。


むしろそんな子、現れて欲しくないと思ってるし。



「……バカみたい」



自分の気持ちすら口にする勇気なんかないくせに、神城君を責める権利、私にはない。


私は何も行動していないのに、神城君のせいにして……。



「なんだ、桜葉。具合でも悪いのか?」


「え?あ、いえ……」



図書委員担当の先生に声をかけられて、私は慌てて体を起こす。