でも、みんなの前で彼女宣言されたり、神城君を名前で呼ぶ資格が私にあるの?


だって、神城君の気持ちは全く見えない。


女の子たちが言ったように、私は地味だし、神城君には釣り合わない。


それなのに、彼女って……。



「……からかうなら、他を当たってくれないかな」


「海花?」


「ヒマつぶしの相手にされたくない。お願いだから、からかうのはやめて」



持っていたカバンを神城君に投げつけて、私は教室を飛び出した。


こんな事を言うのは間違ってる。


神城君の気持ちが見えないだなんて言う前に、自分の気持ちだって口にしていないのに。



……バカだ、私。


神城君の事、好きになっちゃった。


だから、神城君の気持ちが見えない事が辛いんだ……。