ちょっとギャップがありすぎて、動揺はおさまらないけど。
でも、本当に何で私なんだろう?
私だけ、神城君にそっけないから意地になっちゃったとか?
「……わからないところあったら、いつでも電話してきなよ」
「え?」
そんな事を思いながら、隣の彼を見上げたら、ポケットからメモを出して私に言った。
受け取って開いてみると、神城君のスマホの番号とメールアドレスが書いてある。
「ってか、絶対にしてこい」
「……うん」
命令口調だけど、全然偉そうに感じなくて。
月明かりに照らされた神城君の顔は、少し赤くなっているようにも見えた。
……まさかね。
それは気のせいだと思う事にして、私はメモをポケットにしまった。