無事に暗い校舎を脱出した私は、神城君に頭を下げた。
「あの、本当にありがとう」
「別にいいよ。オレの彼女なんだし、困った時に助けるのは当たり前」
「あ、でも……」
「何?教科書を無事に取りに行けたからさっきの取り消しとか言うなよ?」
「……はい」
別に約束を破ったって良かったんだけど、神城君の勢いに負けてしまった。
私が返事をすると、彼はうなずいて手を差し出して来た。
「付き合い始めたんだから、手を繋いだっていいだろ?」
「え?」
「拒否権なし」
戸惑う私の右手をギュッとにぎる神城君。
そのぬくもりになぜかドキッとしてしまう。
誰にでもニコニコと笑顔で優しい神城君より、今の方がずっとずっといいかも……。
なんて、思っちゃったり。



