おそるおそる声がした方を見ると、制服姿の神城君がそこにいた。
も、もしかして今まで部活だったとか?
「あ、えっと、数学の教科書を忘れちゃって……」
この際、苦手な神城君でもいい。
1人で教室に取りに行くよりは、神城君でもいてくれた方が心強い。
私が言うと、神城君はなぜかニヤリとイジワルそうに笑った。
「それは大変だな。ま、頑張って。8時半過ぎたら幽霊が出るってウワサあるけど」
「えっ!」
スマホで時間を確認しながらそう言った神城君が悪魔に見えてしまった……。
そうだった。
私、神城君にめんどくさいって言われて逃げちゃったんだっけ。
関わり持ちたくないって今まで思っていたのに、こういう時だけついてきて欲しいとか思うのは、勝手だよね。



