今日、あんまり運勢よくないのかなぁ。
朝から苦手な神城君に声をかけられちゃうし、プリントを持ってってくれって手伝い頼まれるし。
私は急いで教室の自分の席にカバンを置くと、職員室へと向かう。
「う、わっ!」
「あ、ごめんなさい!」
急ぎすぎて、階段をあがって来た神城君とぶつかりそうになったくらい。
ぶつからなくて良かったけど。
「失礼しますー」
「おお、桜葉、こっちこっち!」
「……え、多くないですか?」
先生が手招きした場所に、プリントが山のように積み上がっていた。
思わず口に出た言葉に、先生がハハハと笑う。
「少しずつでいいから、往復してくれないか?もちろん、助っ人を呼んでもかまわないぞ」
「……はあ」
登校早々、こんな手伝いをしたいって思う人なんていないんだけど。