話すだけでも嫌なのに、2人きりで同じ空間にいるというのも耐えられない。


何より、神城君のファンの子に見られちゃうかもしれないし。


何でもない関係なのに、変な嫉妬で嫌がらせをされても困る。


プシューッと閉まる電車の扉。


私はホッとため息をついた。


次の駅で降りて、また戻ってこないと……。


めんどくさいし、早く帰りたかったけれど、神城君と関わるくらいならこれでいいや。



「……疲れる」



ドアにもたれて、私は思わずつぶやいてしまう。


今の、不自然じゃなかったよね?


別に変に思われなかったよね……?


神城君から解放された安堵感に浸っていた私だった。