「セイくん…?終わり?」


「終わり?
…何です?まだやっていてほしかったのですか?

キミって欲張りですねぇ」


「えっ?」


「今日はここまで、にしようと思っていたのですけど。
キミはキス以上もお望みですか?」


「ここまでって…。
じゃあいつかは、キス以上いくの?」


「キミが僕の傍に一生いたいと思うのなら、いきますよ?
それともキミは、その先はやりませんか?」


「……セイくんとなら、やりたい」





あー、何言ってんのあたし!

めっちゃ恥ずかしいこと言っちゃってるよ。

何なの?「セイくんとなら、やりたい」って。

「やりたい」って何、「やりたい」って!

…セイくん、引かないかな?あたしのこと。






「…そうですね。
僕もキミとなら、やりたいですよ」





さっきの意地悪そうな笑顔じゃなく、ふんわりとした優しい笑顔で笑ったセイくんは。

カチッと扉の鍵を開けた。

だけど、出て行こうとしないで、振り返った。





「キス以上、いまやりたい?」


「…お楽しみは、取っておきたい」


「いつになったら?」


「…結婚、したら」


「じゃ、その日まで待ってますね」


「うん!
…だけど、キスは、またしたい」


「…欲張りですね。
良いですよ。

キミが望むなら、僕は何度だってしてあげますよ」






知識も…ね、増やしておきたいし。

まだキス以上は早いかな。





いつかあたしは

セイくんと幸せな家庭を作りたいな。