だけど、絶対に言わない。

俺だけの、秘密にしておく。






「……嬉しい。
嬉しくって、死んじゃうかも」


「勝手に死んでれば?
俺に会えなくなっても良いのなら」


「死にたくない。
願わくばセイくんと不老不死になりたい」


「…そのファンタジーに満ち溢れた頭、どうにかすれば?」


「セイくんって、やっぱり毒舌~。
そこが良いんだけどっ」


「そのバカップル発言もやめてくれない?

…やっぱりさっきの訂正しようかな。

俺、あんたの傍にいるの、やっぱり無理だわ。
あんたの頭とか行動について行けないかも」


「一緒にいてくれないのっ!?」


「キミの傍にいると、空気が不味くなるからね」


「毒舌っ!…やっぱり好きぃ」


「…ついていけねー」





俺は握っていた手首を離した。





…だけど、こんな日常も良いのかも。

笑顔で馬鹿な発言をするキミの隣に、
キミから好きだって言われてキミをからかう、俺の日常は。

以前の俺だったら、絶対に出会えなかったから。








「……ま、面白そうだし、興味深いから、傍にいてやるよ」


「セイくん素直じゃないなぁ。
素直に、あたしの隣にいたいって言えば良いのに」


「はっ、絶対言わねぇよ」






言ったら俺の方こそ、恥ずかしさで、死ねるわ。

アホ。