夏彩憂歌

だけど、その日はやってきた。

あまりにも、突然に。

「……なんで?」

さらりとさらっていく。

いとも簡単に。

いつも、いつも。

私の大切なひとばかり。

「どうしてっ……」

信じたくなかった。

信じられなかった。

なんでなんで。

何で、私の慶兄さんを連れてっちゃうの?