「リディルが……ずっと、怖い夢を見てるんだって。何が怖いのか分からないけど、でも涙が出てくるんだって。リディル、ずっと泣いてたんだ。俺、もう泣かないように、その心を護ってあげたい。俺が強くなったら、リディルは安心でしょ?」
「……そうかな?」
「そうだよ。怖い夢もやっつけてあげられるよ。どんなときでも笑っていられる、強い人になって……リディルを安心させられる人になって、ずっと護ってあげる……そういう『勇者』になるんだ!」
勇者。
それは、この星に古くから伝わる伝説だった。
誰にも上れない高い塔に閉じ込められて哀しんでいる姫を救うために、自分の命も顧みず助けに行った、勇敢な男の物語。
そんな彼のように、哀しんでいるリディルを──姫を、護れる勇者になりたい。
「……フェイは、優しい子だね」
ランスは目を細めて息子の頭を撫でてやった。
優しい子だ。大事な子を助けたいと心から願うことの出来る、思いやりに溢れた強い子に育ってくれた。そのことを父として誇りに思う。
大丈夫、だろうか。
自分は大丈夫だった。これ以上は駄目だというボーダーラインを超えることはなかった。フェイレイもきっと、リディルという護るべき存在がいれば、ラインを超えることは無い。
「それじゃあ、母さんにも相談してみないとね」
そう言えば、フェイレイは目を輝かせて大きく頷いた。
「俺、ギルドに入って剣士になる! そして強くなってリディルを護る『勇者』になるんだ!」
夕食の席でそうリディルに宣言したフェイレイ。
すると、アリアが難色を示す前に、リディルが立ち上がった。
「ギルド……母さんの、いるところ?」
「そうだよ。そこの養成学校に入って、うんと強くなって帰ってくるね!」
フェイレイはにこやかにそう言ったのだが、リディルは青い顔で首を横に振った。
「ギルド、遠い……一週間に一回しか、帰って来れない……」
「え……うん、寮に入るから、そうなるかな?」
フェイレイはアリアを見る。
「……そうかな?」
「そうだよ。怖い夢もやっつけてあげられるよ。どんなときでも笑っていられる、強い人になって……リディルを安心させられる人になって、ずっと護ってあげる……そういう『勇者』になるんだ!」
勇者。
それは、この星に古くから伝わる伝説だった。
誰にも上れない高い塔に閉じ込められて哀しんでいる姫を救うために、自分の命も顧みず助けに行った、勇敢な男の物語。
そんな彼のように、哀しんでいるリディルを──姫を、護れる勇者になりたい。
「……フェイは、優しい子だね」
ランスは目を細めて息子の頭を撫でてやった。
優しい子だ。大事な子を助けたいと心から願うことの出来る、思いやりに溢れた強い子に育ってくれた。そのことを父として誇りに思う。
大丈夫、だろうか。
自分は大丈夫だった。これ以上は駄目だというボーダーラインを超えることはなかった。フェイレイもきっと、リディルという護るべき存在がいれば、ラインを超えることは無い。
「それじゃあ、母さんにも相談してみないとね」
そう言えば、フェイレイは目を輝かせて大きく頷いた。
「俺、ギルドに入って剣士になる! そして強くなってリディルを護る『勇者』になるんだ!」
夕食の席でそうリディルに宣言したフェイレイ。
すると、アリアが難色を示す前に、リディルが立ち上がった。
「ギルド……母さんの、いるところ?」
「そうだよ。そこの養成学校に入って、うんと強くなって帰ってくるね!」
フェイレイはにこやかにそう言ったのだが、リディルは青い顔で首を横に振った。
「ギルド、遠い……一週間に一回しか、帰って来れない……」
「え……うん、寮に入るから、そうなるかな?」
フェイレイはアリアを見る。


