飛竜に対抗しようとしているのだろう。小さな精霊たちは駄目でも、女王ならばこの戦場でも恐れずに力を貸してもらえる。地の精霊ウィルダスの防御力は大きい。きっと飛竜からも護ってくれる。
だがその黄金色の光に向かって、遥か上空から一直線に紫電が突き刺さった。
大地からのあたたかな力が途絶え、代わりに体の芯まで凍り付くような寒さに襲われる。
この冷たさには覚えがあった。
ごく最近、それに触れた。
──惑星王、カインだ。
それを感じた時、アリアの視界がぐるりと回った。
そのまま倒れてしまいそうなくらいの衝撃の真実に気づいた。
そうか。
有り得ないことだが、そうであればすべてに説明がつく。
魔族が蔓延り荒れる皇都、滅ぼされる人族の都、魔族討伐専門機関よりも精鋭が揃う星府軍を手駒として扱える能力、そして、ここまで魔族を統率出来る手腕──。
「魔王……」
魔族の王ならば、精霊の女王の加護を受けた“神”たる惑星王にも手出し出来るのかもしれない。ああ、そうだ。もうそれしか考えられない。自分たちの貴い皇は魔王の支配を受けている。だから愛する妹姫を手にかけようなどという暴挙に出ているのだ。
十年前にはその存在にすら気づかなかったが、もしかしたら裏で手を引いていたのだろうか。その辺りのことは分からないが、その存在はお伽噺の中だけのものではないことは確かなようだ。
それならばリディルは、クーデターの首謀者としてではなく。“最後の精霊の女王召喚が出来る者”の抹殺のために連れていかれたのだ。唯一魔王と対抗できる力を、人族から奪い去るために。
アリアはもう一度空を見上げた。
幾人もの命が火花となって散っていく。息子たちもああなるかもしれない。だが、地図に浮かぶ赤い点は動いている。フェイレイたちは止まっていない。墜落したわけではない。まだ、逃げている!
「大丈夫だ」
アリアはそう自分に言い聞かせ、息子たちのいる北の空から南の空へ視線をやった。
だがその黄金色の光に向かって、遥か上空から一直線に紫電が突き刺さった。
大地からのあたたかな力が途絶え、代わりに体の芯まで凍り付くような寒さに襲われる。
この冷たさには覚えがあった。
ごく最近、それに触れた。
──惑星王、カインだ。
それを感じた時、アリアの視界がぐるりと回った。
そのまま倒れてしまいそうなくらいの衝撃の真実に気づいた。
そうか。
有り得ないことだが、そうであればすべてに説明がつく。
魔族が蔓延り荒れる皇都、滅ぼされる人族の都、魔族討伐専門機関よりも精鋭が揃う星府軍を手駒として扱える能力、そして、ここまで魔族を統率出来る手腕──。
「魔王……」
魔族の王ならば、精霊の女王の加護を受けた“神”たる惑星王にも手出し出来るのかもしれない。ああ、そうだ。もうそれしか考えられない。自分たちの貴い皇は魔王の支配を受けている。だから愛する妹姫を手にかけようなどという暴挙に出ているのだ。
十年前にはその存在にすら気づかなかったが、もしかしたら裏で手を引いていたのだろうか。その辺りのことは分からないが、その存在はお伽噺の中だけのものではないことは確かなようだ。
それならばリディルは、クーデターの首謀者としてではなく。“最後の精霊の女王召喚が出来る者”の抹殺のために連れていかれたのだ。唯一魔王と対抗できる力を、人族から奪い去るために。
アリアはもう一度空を見上げた。
幾人もの命が火花となって散っていく。息子たちもああなるかもしれない。だが、地図に浮かぶ赤い点は動いている。フェイレイたちは止まっていない。墜落したわけではない。まだ、逃げている!
「大丈夫だ」
アリアはそう自分に言い聞かせ、息子たちのいる北の空から南の空へ視線をやった。


