「……まさか、お前たち星府軍を動かしているのは」
ゴオオウ、と突風が吹き荒れ、紺色の巨体がアリアと指揮官の間を横切っていった。そして轟音を響かせながら地面に舞い降りる。
見上げれば、粉塵の向こうから飛竜がこちらを睨んでいた。蛇の様に長い胴体に、鋼鉄で出来ているかのような硬い二枚の翼と一対の足。そして鋭い牙を持つ口には、星府軍の兵士を銜えていた。
巨大な口腔内に下半身を銜えられ、逆さまにぶら下がる兵士と一瞬だけ目が合った。
助けを乞う恐怖に歪んだ目は、すぐに見えなくなった。
飛竜の鋭い牙に噛み砕かれた兵士の体は真っ二つ。勢いよく血飛沫と臓物を撒き散らしながら、その体が地面に落ちた。
まるで見せつけるかのように、ぐちゅりぐちゅりと音を立てながら兵士の下半身を咀嚼する飛竜。その喉が大きく膨らみながら上下に動く。そして、新たな獲物を捉えた黄色く濁った瞳がギラリと輝いた。
「っ……!」
誰かの息を呑む声が聞こえた。
飛竜がこちらを見下ろし、大口を開けようとしたところに銃弾が飛んでくる。
「アリア!」
鋭く声を投げてきたのはガルーダだ。彼は狙撃型魔銃でリンドブルムの片目を撃ち抜いていた。しかし精霊弾ではない通常の弾では、掠り傷程度のダメージしか与えられない。
「撤退だろ! 急げ!」
その声にアリアは踵を返した。
あの指揮官を捕えて詳しく話を聞きたかったが、それどころではない。飛竜が次々と地上へ舞い降りてくる。
上空からは飛竜にやられた飛行艇が破片となって落ちてくる。それを避けながらシェルターの入り口になっているセンタービルへと走る。
「逃がすな!」
背後からは星府軍が迫る。そしてその後ろから、更に凶悪な飛竜が。
「くそっ、ターニアをやったのは星府軍じゃなくてアイツらなのか!」
走りながらガルーダが舌打ちする。
もちろん、星府軍も動いていたのだろう。だが、人々を完全に滅びへと誘ったのは竜。あのような大群で竜に攻められれば、どんな大国も成す術なく滅びてしまうだろう。
ゴオオウ、と突風が吹き荒れ、紺色の巨体がアリアと指揮官の間を横切っていった。そして轟音を響かせながら地面に舞い降りる。
見上げれば、粉塵の向こうから飛竜がこちらを睨んでいた。蛇の様に長い胴体に、鋼鉄で出来ているかのような硬い二枚の翼と一対の足。そして鋭い牙を持つ口には、星府軍の兵士を銜えていた。
巨大な口腔内に下半身を銜えられ、逆さまにぶら下がる兵士と一瞬だけ目が合った。
助けを乞う恐怖に歪んだ目は、すぐに見えなくなった。
飛竜の鋭い牙に噛み砕かれた兵士の体は真っ二つ。勢いよく血飛沫と臓物を撒き散らしながら、その体が地面に落ちた。
まるで見せつけるかのように、ぐちゅりぐちゅりと音を立てながら兵士の下半身を咀嚼する飛竜。その喉が大きく膨らみながら上下に動く。そして、新たな獲物を捉えた黄色く濁った瞳がギラリと輝いた。
「っ……!」
誰かの息を呑む声が聞こえた。
飛竜がこちらを見下ろし、大口を開けようとしたところに銃弾が飛んでくる。
「アリア!」
鋭く声を投げてきたのはガルーダだ。彼は狙撃型魔銃でリンドブルムの片目を撃ち抜いていた。しかし精霊弾ではない通常の弾では、掠り傷程度のダメージしか与えられない。
「撤退だろ! 急げ!」
その声にアリアは踵を返した。
あの指揮官を捕えて詳しく話を聞きたかったが、それどころではない。飛竜が次々と地上へ舞い降りてくる。
上空からは飛竜にやられた飛行艇が破片となって落ちてくる。それを避けながらシェルターの入り口になっているセンタービルへと走る。
「逃がすな!」
背後からは星府軍が迫る。そしてその後ろから、更に凶悪な飛竜が。
「くそっ、ターニアをやったのは星府軍じゃなくてアイツらなのか!」
走りながらガルーダが舌打ちする。
もちろん、星府軍も動いていたのだろう。だが、人々を完全に滅びへと誘ったのは竜。あのような大群で竜に攻められれば、どんな大国も成す術なく滅びてしまうだろう。


