星府軍がいかに精鋭とはいえ、人間相手になどやられてたまるかと、ガルーダの援護を受けながらアリアは敵陣のど真ん中に突っ込んでいく。
「っらああああ!」
握りしめた拳に青白い闘気を纏わせ、鎧を着こんでいる兵士たちをぶん殴る。それは硬い鎧を粉々に砕いて見せた。
「そんな重装備、重いだけだ!」
ギルドの戦士たちはほとんど鎧を着けない。動きを阻害されるし、己の身こそが最大の鎧だからだ。
そして拳闘士であるアリアの拳は、己の最大の武器。
フェイレイとやり合っていた時ももちろん本気であったが、あれは『試合』の域を出なかった。今、星府軍の軍人を相手にしている彼女は、『死合』をしているのだ。文字通り、命を懸けた戦いを。
「死にたいヤツからかかってきな!」
銃弾すら身に纏った闘気で吹き飛ばすアリアは、星府軍の軍人たちにしてみれば赤い鬼にでも見えていたかもしれない。
そしてそれは、味方にとっては何よりも心強い姿だった。
士気を上げた傭兵たちは、一気に軍勢を押し返していく。
上空での戦闘は拮抗しているが、地上戦では善戦していた。このまま押し返して、星府軍を追い返そうと奮い立つ。
──その想いを、木っ端微塵にしてしまう敵が、現れた。
ざわり、と戦場の空気が変わる。
最初に気付いたのはアリアだった。
顔を強張らせて上空を見上げる彼女を、不思議そうに見る傭兵たち、そして軍人たち。
しかし彼らの顔色もすぐに変わる。
沈みゆく夕日で、橙に染まりだした空。
それを覆い尽くすかのようにやってくる、黒い影。
「あ、あ……」
誰かの震える声が上がった。
アリアですら震えてしまいそうだった。
空を埋め尽くす大群。
それは星府軍の飛行艇ではなく、もちろん、戦艦でもなく。
しかしそれ“一体”で、並みの戦艦にも匹敵する力を秘めたモノだった。
「リンドブルム……!」
魔族の中でも上位種であり、竜の住む山からは滅多に人里に降りてくることはないという竜種。
その飛竜(リンドブルム)が、セルティアの空を蹂躙した。
「っらああああ!」
握りしめた拳に青白い闘気を纏わせ、鎧を着こんでいる兵士たちをぶん殴る。それは硬い鎧を粉々に砕いて見せた。
「そんな重装備、重いだけだ!」
ギルドの戦士たちはほとんど鎧を着けない。動きを阻害されるし、己の身こそが最大の鎧だからだ。
そして拳闘士であるアリアの拳は、己の最大の武器。
フェイレイとやり合っていた時ももちろん本気であったが、あれは『試合』の域を出なかった。今、星府軍の軍人を相手にしている彼女は、『死合』をしているのだ。文字通り、命を懸けた戦いを。
「死にたいヤツからかかってきな!」
銃弾すら身に纏った闘気で吹き飛ばすアリアは、星府軍の軍人たちにしてみれば赤い鬼にでも見えていたかもしれない。
そしてそれは、味方にとっては何よりも心強い姿だった。
士気を上げた傭兵たちは、一気に軍勢を押し返していく。
上空での戦闘は拮抗しているが、地上戦では善戦していた。このまま押し返して、星府軍を追い返そうと奮い立つ。
──その想いを、木っ端微塵にしてしまう敵が、現れた。
ざわり、と戦場の空気が変わる。
最初に気付いたのはアリアだった。
顔を強張らせて上空を見上げる彼女を、不思議そうに見る傭兵たち、そして軍人たち。
しかし彼らの顔色もすぐに変わる。
沈みゆく夕日で、橙に染まりだした空。
それを覆い尽くすかのようにやってくる、黒い影。
「あ、あ……」
誰かの震える声が上がった。
アリアですら震えてしまいそうだった。
空を埋め尽くす大群。
それは星府軍の飛行艇ではなく、もちろん、戦艦でもなく。
しかしそれ“一体”で、並みの戦艦にも匹敵する力を秘めたモノだった。
「リンドブルム……!」
魔族の中でも上位種であり、竜の住む山からは滅多に人里に降りてくることはないという竜種。
その飛竜(リンドブルム)が、セルティアの空を蹂躙した。


