陽が空の天辺から傾き始めた頃、それは現れた。
巨大な黒い戦艦が、悠々と空を泳いでくる。
ゴウゴウとエンジン音を響かせてギルドの中央に建つセンタービル上空に着艦したのは、惑星王直属部隊、星府軍が舵を取る『ティル・ジーア』。
三艘の護衛艦を引き連れてやってきた巨大戦艦は、文明の発達していた古代の叡智を宿している。
機関部の大部分は魔力で動いており、いくつもの艦砲を持つ。中でも船首から伸びる主砲は、街ひとつを壊滅させるほどの威力だ。
何故古代文明は滅びたのか。
莫大な破壊力を有する艦を見上げるアリアは、さもありなん、と頷く。
各国で開発された戦艦や、今ティル・ジーアを護るようについてくる黒い護衛艦は、このティル・ジーアを元に作られている。だがこの船ほど破壊力を秘めた艦はないだろう。
人には過ぎた力なのだ。こんなものをどうして目覚めさせた。──過渡期にあるこの星には必要な戦力であろうことは分かる。けれどもその力が、この星に生きる自分たちへ向いていては目も当てられないではないか。
この街だけでなく、国ごと破壊出来る戦力が目の前まで迫る。その黒い船から、黒い鳥が舞い降りてきた。
ギルドの白い飛行艇とは真逆の色。
貴い者だけが纏うことを許される、黒色に染められた飛行艇。センタービル屋上の発着所に降りてきた黒い飛行艇から姿を現した者もまた、黒衣を纏っていた。
黒の短い短髪に、黒い瞳。
背の高い偉丈夫が胸につけているのは、皇家の紋章である黄金の不死鳥に冠。
男は出迎えたアリアへ視線を向けると、星府軍の軍人らしい、キビキビとした仕草で敬礼した。
「星府軍元帥、アレクセイ=ラゼスタ。皇家の姫君、リディアーナ=ルーサ=ユグドラシェル殿下をお迎えに上がりました」
なんと、元帥が出てきたのか。
随分と若い青年だ。だが、その年でその立場にいるからには相当な実力者なのであろう。実際、アリアは彼を見た瞬間に自分が殺されるイメージが簡単に浮かんでしまった。それだけの威圧感を与えられていた。
けれどもそんなことはおくびにも出さず、アリアもまた、彼に敬礼を返す。
「セルティアギルド支部長、アリア=グリフィノーです。遠いところを御足労頂きありがとうございます、使者殿」
巨大な黒い戦艦が、悠々と空を泳いでくる。
ゴウゴウとエンジン音を響かせてギルドの中央に建つセンタービル上空に着艦したのは、惑星王直属部隊、星府軍が舵を取る『ティル・ジーア』。
三艘の護衛艦を引き連れてやってきた巨大戦艦は、文明の発達していた古代の叡智を宿している。
機関部の大部分は魔力で動いており、いくつもの艦砲を持つ。中でも船首から伸びる主砲は、街ひとつを壊滅させるほどの威力だ。
何故古代文明は滅びたのか。
莫大な破壊力を有する艦を見上げるアリアは、さもありなん、と頷く。
各国で開発された戦艦や、今ティル・ジーアを護るようについてくる黒い護衛艦は、このティル・ジーアを元に作られている。だがこの船ほど破壊力を秘めた艦はないだろう。
人には過ぎた力なのだ。こんなものをどうして目覚めさせた。──過渡期にあるこの星には必要な戦力であろうことは分かる。けれどもその力が、この星に生きる自分たちへ向いていては目も当てられないではないか。
この街だけでなく、国ごと破壊出来る戦力が目の前まで迫る。その黒い船から、黒い鳥が舞い降りてきた。
ギルドの白い飛行艇とは真逆の色。
貴い者だけが纏うことを許される、黒色に染められた飛行艇。センタービル屋上の発着所に降りてきた黒い飛行艇から姿を現した者もまた、黒衣を纏っていた。
黒の短い短髪に、黒い瞳。
背の高い偉丈夫が胸につけているのは、皇家の紋章である黄金の不死鳥に冠。
男は出迎えたアリアへ視線を向けると、星府軍の軍人らしい、キビキビとした仕草で敬礼した。
「星府軍元帥、アレクセイ=ラゼスタ。皇家の姫君、リディアーナ=ルーサ=ユグドラシェル殿下をお迎えに上がりました」
なんと、元帥が出てきたのか。
随分と若い青年だ。だが、その年でその立場にいるからには相当な実力者なのであろう。実際、アリアは彼を見た瞬間に自分が殺されるイメージが簡単に浮かんでしまった。それだけの威圧感を与えられていた。
けれどもそんなことはおくびにも出さず、アリアもまた、彼に敬礼を返す。
「セルティアギルド支部長、アリア=グリフィノーです。遠いところを御足労頂きありがとうございます、使者殿」


