一体皇都で何が起きているのか。アリアたちには真実を知りようがない。

 けれど。

「……宰相が処刑され、星府軍が動いているとなると、ビアンカの言うようにリディルも狙われている可能性が高い。ここが見つかるのも時間の問題かもしれん」

 アリア、そしてオズウェル、ビアンカが、覚悟をした目で互いの顔を見やった。

「リディル様をお護りします。そして……支部長」

 オズウェルとビアンカは、アリアに深く、深く頭を下げた。

「私たちが見つかった時には、どうか、迷わずに私たちを差し出してください。そして……息子を、よろしくお願いします……!」

「うむ」

 アリアは力強く頷いた。

「ヴァンガードの身柄は責任を持って預かる」

 

 アリアは魔銃士候補生ヴァンガード=ユウリ=エインズワースをフェイレイ=グリフィノー班に配属する指令書と、フェイレイ、リディルへの指導員任命書を作成した。

 リディル護衛官としての最善の配置。そして、それがヴァンガード自身の命も護る最善の策だった。

 フェイレイたちのフォルセリア防衛任務に一区切りがついたら、正式に任命する予定だ。