フェイレイの口座には、恐らく傭兵となってから稼いだ金額がほとんど全部残されている。まるで使った形跡がないのだ。一体何に使うつもりなのだろうと、ランスは少し悪い笑みを浮かべながら聞いてみる。
「いや……ちょっと、家を買おうと思って」
フェイレイはモゴモゴしながら口を割った。
「ほう、家を。つまり独立するつもりだと?」
「いずれはね。俺だって、ちゃんと将来を考えてるんだよ」
「そうだったのか」
ランスは嬉しそうにうんうんと頷く。
「それでその家には、さっき言っていた告白するつもりの子と一緒に住むんだね。父さん、紹介されるのが楽しみだなぁ」
ぐっ、と、フェイレイが食べていたナッツを喉に詰まらせる音が聞こえた。
「そ、それは──」
「おや、我が家の将来のお嫁さん、父さんや母さんには紹介してくれないのかい?」
「……いい返事がもらえたら、ちゃんと報告するよ」
「うん、分かった。父さんも応援しているからね」
「ありがと。……だからさ。いい返事がもらえたら、父さんと母さんも、一緒に住もう」
その言葉に、ランスはゆるりとフェイレイへ顔を向けた。
「みんなで一緒に住もうよ。俺、結婚したら傭兵引退するつもりだから、そんなに大きいのは買えないけど」
「……そうなのかい?」
「だって父さんいつも言ってるじゃないか。争いのない平和なところで生きるのが一番だって。確かにそう思うよ。嫁さんと子どもを危険に巻き込まないように、魔族と戦わないで済む土地見つけてさ。だから、そのために一生分のお金貯めてるんだよ。家族を養っていかないといけないからさ」
「……引退まで考えて、貯めていたのかい」
「そうなんだよ。まだまだ足りないから、もっと頑張んないといけないんだけど。ちゃんとお金貯めて、いい返事が聞けたら家買うから。しばらくは嫁さんと二人の時間も欲しいかなーとは思うけど。少ししたら……子どもが生まれる頃には父さんたちも呼ぶからさ。一緒に畑仕事でもして暮らそうよ」
「いや……ちょっと、家を買おうと思って」
フェイレイはモゴモゴしながら口を割った。
「ほう、家を。つまり独立するつもりだと?」
「いずれはね。俺だって、ちゃんと将来を考えてるんだよ」
「そうだったのか」
ランスは嬉しそうにうんうんと頷く。
「それでその家には、さっき言っていた告白するつもりの子と一緒に住むんだね。父さん、紹介されるのが楽しみだなぁ」
ぐっ、と、フェイレイが食べていたナッツを喉に詰まらせる音が聞こえた。
「そ、それは──」
「おや、我が家の将来のお嫁さん、父さんや母さんには紹介してくれないのかい?」
「……いい返事がもらえたら、ちゃんと報告するよ」
「うん、分かった。父さんも応援しているからね」
「ありがと。……だからさ。いい返事がもらえたら、父さんと母さんも、一緒に住もう」
その言葉に、ランスはゆるりとフェイレイへ顔を向けた。
「みんなで一緒に住もうよ。俺、結婚したら傭兵引退するつもりだから、そんなに大きいのは買えないけど」
「……そうなのかい?」
「だって父さんいつも言ってるじゃないか。争いのない平和なところで生きるのが一番だって。確かにそう思うよ。嫁さんと子どもを危険に巻き込まないように、魔族と戦わないで済む土地見つけてさ。だから、そのために一生分のお金貯めてるんだよ。家族を養っていかないといけないからさ」
「……引退まで考えて、貯めていたのかい」
「そうなんだよ。まだまだ足りないから、もっと頑張んないといけないんだけど。ちゃんとお金貯めて、いい返事が聞けたら家買うから。しばらくは嫁さんと二人の時間も欲しいかなーとは思うけど。少ししたら……子どもが生まれる頃には父さんたちも呼ぶからさ。一緒に畑仕事でもして暮らそうよ」