俺の最期に相応しい場所は果たして何処だろう。いや・・・・『相応しい』なんておかしいのか。


何かを成し遂げたわけでも無いし、大罪を犯した訳でも無い。平凡な俺に相応しい場所なんて無い。


どうだって良い。俺に与えられた最後の自由な選択肢だろう。



やや力ない足取りで歩く俺は周りから見ればどんな奴だろう。やっぱりイカれた人間だと思われているのか?


違うな。


何も感じないのがほとんどに決まっている。どうせそんなもんだ。



さて。自由とはいえ、それこそ面倒臭いな。


学校の屋上から飛び降りようか?

ダメだ。たくさんの奴に注目されるし、バッドタイミングで見つかったら引き止められちまう。


ならどっかのビルの屋上は?


飛び降り系は注目されるから止めておこう。



踏み切りに飛び込むか?


わざと飛び出させた猫を助けようと死んだら一応ちょっとヒーローになれるかもしれない。それなら注目されたって構わないさ。



あ、


でもあれって俺が死んだ後遺族が多額の金を払わなければいけなくなるんだっけ。それはダメだな。


困らせてやりたいけど、最後の最期まで恨まれるのは御免だ。




あー・・・・・・


俺に静かに死ねる場所をくれよ。