ふちどられたミライの中で【ケータイ小説向上の会企画作品】

家の鍵は開いていたが、テーブルの上には置き手紙があった。手に取る事もしないで、テーブルに手を掛けながら文章を読む。



「『何だかお腹の具合が悪いから、病院に行ってきます。』」


・・・・・・・。


珍しい、母さんが具合の悪さで病院に行くなんて。よっぽど酷かったのかな・・・大丈夫なんだろうか。


心配はするも、母さんは「あの電磁波はカラダに悪いの」と言って携帯を持たない主義の人なので連絡手段は無い。




母さんの具合が悪いとすればお粥か何かの方が良いのかもしれない。けど・・・作り方は分からないし、今日は誕生日だし。


保存しておけば良い・・かな。母さんなら公衆電話からとか連絡をくれるかもしれないからそれを待つのでもいい。



俺はそこで気持ちを切り替える。そしてとうとうメモ用紙との格闘が始まる。材料は別紙に書いていて、それを見て買い物をした。


料理名もかかず、ただ材料だけが。




「さて・・と。材料は全部買ったよな。」


そして。開かれなかった方のメモを見る。ピラリと開けると、水色のボールペンで書かれた字が目に入る。



「で、俺は何を作るんだ・・・・?」




『今日はお母様のためにステキな料理をつくりますわよ!

  旬の野菜の天ぷらとマシュマロおかし!!』



て 天ぷらっ!?

何でだ・・・カレーとかオムライスじゃなくて・・・



天ぷらなのか?



そもそもマシュマロお菓子って・・・マシュマロは元々おかしだろ。



疑問と、腕と、俺との闘いが・・・

始まる。