ふちどられたミライの中で【ケータイ小説向上の会企画作品】

焼けて熱気を発するアスファルトの上をぶらぶらと歩きながらハルキに渡されたメモ用紙を今開こうとしている―――。



俺は朝からメモ用紙を見ていない。ハルキの絶対嫌味な「がんばれよ」メールが休み時間に送られてくると、途端になんだか見るのが嫌になった。


それから午後の授業がはじまり、当然のように家庭事情のためとか言って部活を休み、こんな放課後に至る。



分かってる、予測不能だった事が起こりうるような気がしている訳じゃあ無いんだ。


むしろ、予想通りの展開にもっていかれそうで・・・




「やっぱレシピとかレシピとか・・・載ってんだろうな・・。」



けど、俺知識ゼロだぜ?りんごの皮とか剥くの無理だぜ?



知ってる・・・のはそうだな。




お湯の沸騰させ方位だろ。




でも。


俺は母さんと父さんの誕生日は祝ってやりたい。

それが、小さな頃からの当然だと思っていたことだからなのか、単に両親が好きだからなのか・・・そう、聞かれたら。



俺は両親が好きだからって答えるんだろうな。




そういうのはもう恥ずかしいと思いつつ、やっぱり祝う事はしないと、と思う自分はおかしいんだろうか。





「考えても・・・疲れるだけだな。」


ああ、その通りだ。仕方が無い、やってやろうじゃないか!