ふちどられたミライの中で【ケータイ小説向上の会企画作品】

彼女は目にかかる前髪を手で止めながら、俺を見た。



「私は、同じ境遇の貴方をもっと知りたいんです。」


俺は躊躇していた。

それも良いかもしれない。だが・・・、そうなるとまた家に帰らなければいけないのか?


追い出されて、その事に対して謝って・・・。そんな面倒なことをしなくちゃならないのか?また奴らの顔を見なければならないのか?



「もしかして・・・家に帰れないとかですか・・・?」


「えっ・・・・。」



突かれた。


「本当に奇跡みたいですね。こんなにおんなじだなんて凄いですよ。やっぱり私、貴方ともっとお話したいです。」



また・・・・


また、おんなじなのか?


「じゃあお前も・・・・「教えてあげません。」


は?


ピシャリと放たれた言葉が俺の言葉を遮った。しかも、意味不明な。



「今日で全てを終わらせるつもりなら、どうせ明日からも暇なんですよね?」


なかなか鋭い奴だ、というかだいぶ第一印象が消えてる気がする。




「だったら良いでしょう?ああ、でも。」


「?」


「貴方が私と居たくないなら、貴方が此処をもうどうでも良いって思うなら・・・・それなら来なくていいです。一方的なのは嫌なので。」


これまでの発言もかなり一方的にやりとりさせられてきた気がするが・・・。

けど、決めた。


「良いよ、来てやる。ここ、気にいったからさ。」


ちょっと、偉そうに言ってみた。ずっと立場が下なのは何だか悔しい。


「お前とも・・・一応話してみたいし。」