「お前、バカなんじゃねーの?」

は?!

部屋に愛児のイライラしたような声が響き、私は次第にムッとした。

「あんた人の事、言えないじゃん」

険を含んだ私の声に、愛児がゆっくりと振り返った。

明らかに怒っている。

でも私は、愛児の矛盾が何だか嫌で、言わずにはいられなかった。

「だってそうじゃん。キスしてきたり、誘ってきたじゃん。あんただって、ダサくて女子力低い私に、あんな事」

「苛つくんだよ、お前はっ」

「……っ!!!」

凄い早さで愛児に抱き締められて、私はそのままソファに押し倒された。