愛児が息を飲んだ。

私は少し笑った。

「けど嘘なんか……意味無いよね。だって私はほんとにダサいから。……じゃあね」

私は踵を返して愛児に背を向けた。

あーあ……。せっかくテンションあがってたのになあ。

けど言いたいことを正直に口に出したら、何だかスッキリした。

仕方がないよね。

今の私は女子力、低すぎるもの。

愛児はかっこよすぎるし。

毛嫌いされるのは仕方がないのかもしれない。

でも疑問もある。

なんで私と寝ようとしたのか。

どうしてキスしたのか。

意味が分からない。

全然わからない。

私はため息をついてから、街へと歩きだした。