私は今のマンションに越してきて、最初に愛児に出逢った日の事を思い出していた。

★★★★★★

三年前。

『誰?』

『初めまして。私、隣に越してきた、神崎乃愛です。どうぞよろしくお願いします』

心臓が煩いくらい高鳴ったのを今も覚えている。

だって愛児は、たんに顔がカッコイイだけでなかったから。

背が高くて、シャツを着ていたけど引き締まった身体や長い足が、私をドキドキさせたのだ。

そんな愛児は私を頭の先から爪先まで舐めるように眺めて、小さく息をついた。

『ガキの分際で独り暮らしかよ。どんな親だよ』