面会時間が終わり
俺は病院の廊下を歩いていた
メモ帳を見ながら頭を掻く
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・男女ふたり組
・制服姿
・男の方が薬をくれた
・最初に話しかけてくれたのは
女の方
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…情報が…少なすぎる
せめて制服の柄を覚えていれば搾れたんだけどなぁ
なにぶん母ちゃんは発作の最中だったみたいだから
意識が朦朧としていたため
それしか覚えていないようなのだ
「……無謀すぎる」
諦めることも出来た
断ることも出来た
だけど…俺には出来なかった
あの母ちゃんの
最初で最後の頼み事かもしれないから


