「……してねぇよ」 そもそも、女に縁自体ねぇよ 「そうなの でもシゲちゃんなら良い人見つけられるわよ」 「……そうか」 根拠のないその言葉に 俺は苦笑交じりに頷いた 「そういえばシゲちゃん お願いがあるのよ」 「お願い?」 俺はベッドの近くに置いてあった椅子に腰かけた 「人を…探してほしいのよ」 「人?」 「ええ 看護師さんから聞いたかしら? わたしね この間見知らぬ学生さんに助けられたのよ」 「ああ…聞いたよ」 「そのふたりを…探してほしいのよ」 …無謀すぎる