俺の母は、厳しかった






物心ついた頃に父はなく

俺にとって家族とは母だけだった




この母が要注意人物




気が付いた時には家庭教師が俺の周りをウロつき

成績表とにらめっこして母と相談

俺の学力に合った問題を出しては答えを要求した

それは深夜2時まで行われた




家に帰れば母の雇った住み込みの家庭教師がいる

俺はなかなか家に帰らなかった




だけど学校に用もなく留まることなんて出来なくて

「早く家に帰りなさい」と先生たちに追い払われるような形で

俺は帰宅し勉強と言う名の鎖に縛られた




お蔭で同級生と遊ぶ暇など存在しなくて

学校が終われば家に帰宅し何時間も勉強

同じ毎日を何度も繰り返した




だけど俺はそんな生活が嫌で

勉強だらけの窮屈な毎日から抜け出したくて

高校卒業と同時に実家を飛び出した