僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory









やっぱり私…

皆と一緒に行きたい




美夜の言葉を合図に

まるで私じゃないみたいに言葉が紡ぎだされた




「確かに見た目だけで判断すると樹は地味だよ?
クールで無口で無表情でつまんないと思う

だけど黒岩さんに馬鹿にされるほど
樹は地味な奴じゃない

樹の本当の中身も知らないで
地味だとかつまんないとか判断しないで」





本当の樹はかっこいいんだよ

黒岩さんに馬鹿にされて良い人じゃない

本当の樹も知らないで言わないで

知ったかのように言わないで




美夜も白羽のことを酷く言われて怒っていた

白羽のことは正直何も知らないけど

大事な親友の好きな人だよ

私は樹一筋だけど白羽も一緒に馬鹿にしないで

大事な人は馬鹿にされたら怒るのは当たり前でしょ





美夜は先生から貰った班員を書く紙に

枠線からはみ出るぐらい大きく名前を書いた

先生に堂々としながら出しに行く親友も

力強く頷いた私の好きな人も

親友の好きな人で

好きな人の親友も

一緒に行くの

もう変えられないの






変えるつもりなんて

ないの