「ねぇ樹
樹は好きな人いるの?」
お互いに黙って始まった沈黙
私は破るために自分を追い込んだ
「…俺?」
私って言われたらどうしよう
…なんて妄想発言をしてみる
別の子が好きなんだろうなー
…私は樹が好きだよ
「いねぇよ」
「そうなんだ…」
嬉しいんだかショックなんだか
自分でもよくわかっていない
「そう言う萌は?」
「私もいないよ
だから美夜が少し羨ましい」
樹だって素直に言いたい
だけど私は何も言えない
素直に白羽が好きだって言える美夜が羨ましい
そこからは無言が続いてしまった
何かを話したくても話題なんて浮かばなくて
「…んじゃあな」
「うん!バイバイ」
ぎこちなく挨拶をして
お互い家に帰った
「お帰り萌
誰かと一緒だったの?」
「ただいまお母さん
樹と一緒に帰ってきたんだよ」
「あら樹くんと?
そういえば最近全然遊ばないわね?
前はあんなにも樹くん樹くん言っていたから
喧嘩でもしたのかと思ったわ
喧嘩したわけじゃないようね」
「うん」
「樹くん彼女の1人や2人いるんでしょうね?
萌何か聞いていないの?」
「…さぁー?
最近話さないからね」
鞄を置きに自室へ向かう
樹を迎える未来に
私が傍にいれば良いのに…


