「珍しいね美夜から恋の相談なんて」
「うん…初めてだから」
「どうしたの?
好きな奴でも出来たの?」
美夜は私が樹に何年も恋していることを知っている
私は何度も美夜に相談してきた
今度は私が美夜の相談に乗る番
「出来たんじゃない…
実は前から好きな人いたの…」
初恋なのとはにかむ美夜は
恋に奥手らしく
好きなのに話したことが
出会った時しかないそうだ
…いつも堂々とした美夜でも
恋に関すると臆病になるんだね
「誰なの?
てかいつ会ったの?」
「始業式の日
凄く優しかったんだぁー」
「どんなことしてもらったの?」
「ん?
あたしは何もしてもらっていないよ?」
「え?
じゃあ何で優しかったなんて言うのよ」
「見ず知らずの人に優しくしていたの
その優しさに惚れちゃって…」
見ず知らずの人に優しくしていた彼を
アッサリ好きになったのか
自分が優しくされたわけじゃないのに
…美夜って変わった子


