静かな室内で僕は本を読む

今日はお兄ちゃんたちは大学に行っている



きっと今頃生徒さんに囲まれているんだろうなー

慌てているのにきっと笑顔を浮かべて接しているお兄ちゃんたちを思い浮かべて

本から目を離して笑う





「…そういえば犯人は家政婦さんだったんだー」



まぁ予想はしていたけどね

家政婦さんか義理の娘だろうなって




読み終えた本を閉じる

そして表紙を見る





「玉子の中華スープ……」




家政婦さんの思い出の食べ物

そして僕にとっても思い出の食べ物




あの雨の日は思い出深い日ではあるけど

お兄ちゃんたちに迷惑をかけた日でもある

お兄ちゃんたちは決して僕を責めるようなことはしない

僕が嘘をついても何も言わない




だけど

「嘘つかないで」って

哀しそうに言う