來兄が持っているのは
斗真用に作ってきたと言う夕ご飯
だけどコトンとテーブルの上に置いた時
オレと空兄は思わず「は?」と言ってしまった
來兄が置いたのは
玉子の揺らめく中華スープだった
何故中華スープ?
「前に斗真が
これ美味しそうだって言ってくれたの
以前ボクが執筆した小説
『古城ホテルで起こるミステリー』で
出てきたんだ
表紙がね
出てくる古城ホテルの所有者家族全員で
中華スープを囲む絵だったんだ」
「何で中華スープなんだ?」
空兄が最もな質問をしてみる
確かに古城ホテルを所有する金持ちが
何故中華スープを囲むんだ?
ステーキとかじゃねぇのか?
「その小説のトリックで最後に逮捕されるのは
その家で働いていた家政婦さんでね
家政婦さんは家族を殺された復讐のために
その家で働き始めるんだ
家政婦さんの家族との最も印象深い思い出が
自分が大好きだった玉子の中華スープを
家族で囲むことだったんだ
最後まで読み終えた読者さんが
表紙を見てあぁって思えるように
デザインしてくれたみたい」
『古城ホテルで起きるミステリー』という小説は読んだことないけど
その内容に聞き覚え…いや
見覚えがあった


