自分の濡れた髪を拭きながら
ゴシゴシバスタオルを動かす斗真を横目で見る
…何であんなに頑なに拒むんだ?
いつもは素直に言うこと聞くのに
斗真がすぐに言うことを聞かない時は…
いつも…具合が悪い時?
斗真は黙り込むと自分が辛いってわかっているはずなのに
絶対に自分から辛いと言わない
言う時はもうすでに悪化の一途を辿っている時だけ
もっと早く言ってほしいって頼んでいるんだけど…
「……斗真?」
色々考えていると
斗真が髪を拭くのをピタッと止めていた
まるでテレビの一時停止ボタンを押したみたいだ
「…斗真?」
斗真の不審な行動に気がついたのか
空兄も呼びかける
…も何も返事しない
「斗真?平気?」
斗真に触れようと1歩近づく來兄
そこで初めて斗真が動いた


