列が終わったのを見計らい
オレたちは立ちあがった
「んじゃオレたちは帰るね父さん」
「わかった
財布とサインありがとね
皆気を付けて」
研究所の入り口まで父さんと歩きながら話していると
前から白衣姿の学生が来た
「あっ白羽先生」
「…どうしたの?そんなに濡れて」
父さんの教え子だと言う学生は
何故か茶髪も白衣もビショビショに濡れていた
「大学の本館に忘れ物したんで
取りに行って来たんスよ
そうしたら
外…今めっちゃ雨降ってて
夕立ってやつだと思うスね」
苦笑する学生
対してオレたちは息を飲み固まった
斗真だけがキョトンとしていた


