絶対に仲直り出来る保証なんてどこにもないけど
斗真は覚えていたんだな
オレは懐かしい思い出に目をこすった
そんなオレを見て斗真がクスッと笑った
「お兄ちゃんて
泣き虫なんだねぇ…」
「うるせっ」
オレはもう1度斗真を見た
「……ありがとな」
斗真は何も言わなかったけど
ニコッと笑っていた
「…んじゃ寝るか
斗真も早く寝ろよ?
何かあったらすぐに呼べよ」
「わかった」
手を離して
オレは斗真の頭を撫でた
「おやすみ」
「おやすみ…お兄ちゃん」
その数分後斗真が眠りについたのを確認したオレは
部屋を出て
今日斗真と購入した服を鞄に詰め
布団に潜った
オレのたった1人の弟は
弱いけど
誰よりも心優しい自慢の弟だ


