ポスッと音を立てて枕に頭を埋める斗真
謝りたい
だけど「ごめん」と言うことで
ますます斗真を傷つける気がした
オレは謝るのを止めた
「……お兄ちゃん」
「ん?」
斗真が布団の中から手を出した
意味が分からず黙っていると
斗真が出した左手を上下に揺らした
―――それだけでわかった
「……ありがと」
「ううん
僕こそごめんね
お兄ちゃんの止める声も聞かないで行っちゃって
自業自得だよね」
「謝るな斗真」
オレはその手をがっしり握った
かつて斗真に教えた…仲直りの方法
学校に行けない斗真に
オレはかつて教えたのだ
友達と喧嘩した時は
こうして手を繋げば良い
そうして「ごめんね」と言えたら
仲直り出来るはずだ……と


