僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory








斗真は幼い頃から

本人の意思と裏腹に弱い身体と付き合って来た

それがどんなに辛いことか知っていたはずだ



学校に向けて走るランドセル姿の奴を見ては

羨ましそうにその光景を見つめて

欠席が多いから友達はいなくて遊ぶことも出来なくて

オレが斗真ぐらいの年齢には出来ていたことも

コイツには出来ないっていうの

オレは知っていたはずなのに

…知っていてオレは傷つけた






「……お兄ちゃん?」


「…………」


「な…何で泣いているの?」


「…見るなよ…」




グシグシと乱暴に服の袖で涙を拭う

…あー情けねぇ




「お兄ちゃ……」



起き上がろうとした斗真だけど

眩暈でもしたのか頭痛でもしたかのように顔をしかめた




「……寝てて良いよ
寝るのが1番良いことだって言われてんだろ」


「……うん」