僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory








バタンと扉が閉まる音が静かに響く中

今にも消えそうなほどか細い声が聞こえた




「…りゅ…うま…に……」


「斗真?」




俯いて溜息をついていたオレは立ちあがり

斗真の元へ駆け寄った




「平気か?苦しくない?」


「……平気」




眠いのか具合が悪いのか目が虚ろだ




「……ごめんな
オレのせいで辛い思いさせちまって」


「…………」




斗真は無言で視線を外した

ズキッと痛んだ気がした




「……ごめん」




オレは謝ることしか出来なかった

自然と涙が出てきた




…情けねぇなオレは

兄貴失格じゃん