「ハァ…」とふたりにバレないよう溜息をついていると
黒岩がまだキーキー言っていた
先生が渡してきた班員を書く紙に
ふたりの名前を書くとか言いだしている
「もう決めたんだ…あたしたち
あたしは萌と柿沢くんと白羽くんと同じ班になるって
だから書かないでほしい」
「…どうしてよ?
そんな地味な男子と一緒にいたって楽しくないって」
地味地味うるせぇよ
そう反論しようとした時
「樹は地味じゃないよ」
萌が反論した
俺は言いかけた言葉を飲み込んだ
「確かに見た目だけで判断すると樹は地味だよ?
クールで無口で無表情でつまんないと思う
だけど黒岩さんに馬鹿にされるほど
樹は地味な奴じゃない
樹の本当の中身も知らないで
地味だとかつまんないとか判断しないで」
…萌……
お前はこんな俺でも庇ってくれてんだな
あの日…庇ってあげた萌じゃない
俺が庇ってもらっている
…変わったんだな…萌……
俺は萌の親父になった気分だった


