「……心くん…と言ったね?」
「はい」
「真琴の病気のことは…聞いているか?」
「はい」
「…だからね…心くん」
「はい」
「真琴との結婚は…やめた方が良いよ」
「へっ?」
思わず敬語を忘れて素になってしまった
それをすぐに謝ると別に良いと言ってくれた
「心くん
素直に言わせてもらうけどね
真琴は長くないんだ」
…知っていたことだ
10歳で20歳まで生きられないと宣告されていたことも知っていた
だけどやっぱりいざ聞くと…辛いな…
「いつ死ぬかわからない真琴と一緒になるより
もっと長生き出来る方と一緒になった方が心くんの幸せだと思うんだ」
「…それで…真琴を諦めろと言うのですか」
「そうだよ
そっちの方が心くんの幸せだよ」


